2021.8.11ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラムに向けて、UHCを通じた女性と少女の健康の権利実現に向けたメッセージを発信
2021年7月、パリで開催されたジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム(GEF)に向けて、ジェンダー平等とUHCのためのアライアンス(The Alliance for Gender Equality and UHC)とPMNCH(the Partnership for Maternal, Newborn and Child Health) 、UHC2030 および市民社会メカニズム(CSEM)が共同で、UHCに関するメッセージを発信しました。
「☂UHCを通じた女性と少女の健康の権利の実現を、今こそ🎉」
2019年9月 国連ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル会合が開催され、国連総会において世界中のリーダーたちが、グローバル・ヘルスに関する歴史上最も包括的な政治宣言(Political Declaration)に合意しました。
合意では、健康的な生活を確保し福祉を推進するSDG3と、その他すべての2030アジェンダゴールを達成する為に、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を含むユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性を認めています。
UHCとは、誰でも、どこでも、どのような交差的アイデンティティ(Intersectional Identities)を持っていても、質の高い医療サービスを、経済的な困難を伴わずに受けられることです。
ジェンダーは健康の重要な決定要因であり、ジェンダー不平等は世界的に女性や少女たちの健康リスクを高めています。
性自認は健康ニーズの範囲や、医療サービスの効果に影響を及ぼすだけでなく、どのように保健制度の計画が行われ、そして運営されるかにも密接な関係があるのです。
女性や少女たち、とりわけより脆弱な立場に追いやられている人たちは、医療サービスを利用しようとする時、多くの障壁に直面します。新型コロナウイルスの流行により、この状況はさらに悪化しています。
SRHRを含む必要不可欠な医療サービスの提供がコロナの影響で寸断され、資金が他に充当されています。妊産婦への保健サービスや、リプロダクティブヘルスのような本来重要なサービスが、必要不可欠ではないものとして分類されています。このような状況は女性や若者を、本来予防可能な理由による死亡や疾病、障害の高いリスクにさらします。これが女性や少女の健康の権利を確保することなく、ジェンダー平等を達成できない理由なのです。
既存のジェンダー不平等と、保健制度における女性のリーダーシップに取り組むことなしには、UHCを達成することはできません。
世界中で女性は医療従事者70%を占めていますが、その内わずか25%しか指導的な立場についていません。UHCを達成する為に保健制度を強化するには、この問題に注意を払い、適切な訓練を受け、十分なリソースが割り当てられ、全てのレベルにおいて支援を受けた医療従事者への投資が必要なのです。コロナ禍においてもまたこの先も、女性がコミュニティの最前線で私たちの健康を守り続ける中、医療従事者のジェンダー平等を達成するために、私たちは法的、社会的、経済的な枠組みを作り上げなければなりません。ジェンダー平等とUHC両方の達成のためには、女性の福祉とエンパワーメントを妥協することはできないのです。
ジェンダー平等、女性の権利とリーダーシップを促進するために、加盟国がUHCを優先すべきこと:
• いかなる交差的アイデンティティ ー性的指向、ジェンダー自認、人種、社会階層、障害、先住民族であることや、その他の理由に関わらず、全ての女性と少女たちがすべての面でSRHRを含む健康を主張し、必要なサービスを利用できるようにすること。
• 女性を指導的立場や意思決定の場に含めることで、女性の知識や物の見方の影響力を行使すること。医療従事者の多数派として、UHCを推進できるような女性リーダーに投資すること。
• 女性、男性、ノンバイナリーの人を含む全てのジェンダーのニーズに生涯を通して応える、ジェンダーを考慮した保健制度アプローチを推進すること。
• 新型コロナウイルスパンデミック下においても、UHCのコミットメントに基づいて対策を講じること。対策と復興を成功させるために、誰でも、どこでも、効果が立証された公衆衛生の施策とSRHRの保護を含む、適切なヘルスケアを受けられるようにすること。
UHCへのコミットメントを広めるためにみなさんが協力できること:
1.ジェンダー平等と女性と少女たちの健康と権利を中心に据えた、ジェンダーに対応した包括的なUHC実現に向けて有意義な対応をするように、自国政府に求めること。
2.ジェンダーに対応した包括的なUHCを、パンデミック後の復興と、将来のパンデミック対策の中心に置くよう自国政府に求めること。
3.毎年12月12日のUHC Dayキャンペーンや、次回の国連ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル会合に向けてのUHC活動に参加すること。
本記事は、7月上旬に開催された、ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム(GEF)に際して、The Alliance for Gender Equality and UHC が発行したオープンメッセージを簡約したものです。原文はこちら